こだわり人[2020.09.01]
これは見逃せないぞ! 時代が呼んだこだわりの 3 大王国。 /スガツネ工業(東京・千代田区)
一つの時代が終わったというのだろうか。新しい時代が始まったというのだろうか。新型コロナウイルス問題の先行きがいまだに見えない中で、人々の毎日の暮らしが随分変わってきている。あんなに"それ行け、やれ行け"という流れに乗って駆け上がってきたのに、随分地核変動が起こってきたというものだ。人々の毎日の暮らしはもとより、ビジネスの世界でも経営者だけでなく従業員の意識や行動にも変化が表れてきていることは周知の通りだ。朝夕の出勤革命やリモートワークの日常化、息を潜めた接待ビジネスの低減など、まさにコロナ大異変ということだろう。
裏を返せば、そうしなければ人間はこの世に生き残れない。企業も、人々の毎日の暮らしもみな吹っ飛んでしまうということだろう。そんな中で、製品の需要動向に詳しいあるマーケターが気になる話をしていた。新型コロナウイルス以降、消費動向に一つの変化が見られるというのだ。
「財布の紐は確かに固くなっているが、固くなっていく一方で、"ここぞ"と思えば消費は拡大しているんです。日曜大工などを扱うホームセンターなどで顕著に表れてきているのですが、これまでの暮らしを見直してこれからの生活を考えると、この際、住まいや店舗などの改善、改築、新装はやむなしという"この際消費"は着実に伸びているんです。」

なるほどだ。言わずもがなのことで、現状の悩みはあるが新型コロナウイルス以降に備えて明日への、次代への行先に明るい展望も描かれているということだろう。そういえば、全国にあるスガツネ工業のショールームや展示会の来場者を見ていると、お目当ての製品を見ていくと同時に、"ついでにあの製品を見てみたい、触れてみたい"というお客様が着実に増えているのだ。"災害に強いとか、安心安全な住まいとか、お客様に親しまれる繁盛店の店づくりのために立ち寄ったが、この際だ、ついでに見ていこう、今一度、あの機能をあの使いやすさ確かめて"ということである。まさに、"この際消費"の生き字引が身近にありだ。その数3万点以上という品揃えを誇るスガツネ工業のこだわり製品は見逃せないというのだ

その人気のショールームで一際注目を浴びているのが『こだわり金物王国』と名付けた『スイッチ・コンセントプレート PXP型(スイッチ・コンセントプレート王国)』と『フック&バスルームアクセサリー PXB型(フック王国、バスルームアクセサリー王国)』である。そのこだわりに徹した製品群に今一度クローズアップというのはいかがだろうか。もちろん、現物をショールームなどでご覧いただくのが一番いいのだが、今回はスガツネ工業のこだわりということで、その大要を紹介させていただこう。
これは見逃せないぞ! 時代が呼んだこだわりの3大王国。
スガツネ工業株式会社(東京・千代田区)
●スイッチ・コンセントプレート PXP型 (スイッチ・コンセントプレート王国)
いま人気の『スイッチ・コンセントプレートPXP型』はこれまでにも再三、そのこだわりコラムで紹介させていただいているが、PXPは高品質を表す『Premium(プレミアム)』のPと満足感を表す『Pleasure(プレジャー)』のPを掛け合わせたイメージ名で、カーテンや壁紙のデザインを選ぶように住宅や店舗の空間に合わせてスイッチやコンセントプレートを気軽に選んでほしい、言葉を変えると、新鮮で細やかな美意識を提案しようというものである。発売から5年、その存在感は着実に浸透しているが、魅力のポイントは大きく分けて4つある。

【1】 多様な品揃えラインアップと、一点一点のお客様好みの品格のあるデザイン性
外国の名のあるブランド品としてスペインの『FEDE』社と共同開発した個性豊かな美しい仕上げのシリーズと、スガツネ工業のフラッグシップブランドの『Zwei L』、さらにスガツネ工業の伝統ブランド名である『LAMP』をラインアップしている。外国製、国産品。まさにインターナショナルなスガツネ工業ならではの多彩な品揃え。まさにスガツネ工業のこだわりここにありということだ。
【2】 ワンランク上の素材の贅沢な仕様。
本スイッチ・コンセントプレートに使われている素材はステンレス鋼、真鍮、樹脂、天然木などなど実に多彩である。本物だけが醸し出す存在感をお楽しみいただける。
【3】 長い経験とノウハウに裏付けられた職人の丹念な作り込みと仕上げの良さ。
研磨や切削加工、プレス、鋳造、射出成形、表面処理など、素材に合わせて隙のない職人の技が素材の魅力を最大限に引き出す。
【4】 画期的な取付方法
取り付けが機能的で簡単、そのほとんどがねじを見せない取付方法でプレートのデザインの見映えもよく、空間に新たな風合いと好印象を与えるということである。
至れり尽くせり。改めてこの製品に対するスガツネ工業の熱い思い入れがわかるというものだ。この製品の開発と普及の指揮をとる仕入部の奥山氏はその多彩な製品力を次のように語っている。 「普段からスイッチやコンセントは皆さん何気なく使っていると思いますが、PXPは毎日の暮らしをより豊かにし、住宅に限らずホテルや店舗など見直して新たな存在感を呼び込もうとするものです。まさに小さなところから始まる美意識の掘り起こし、空間の世界観を実現するための必需品ですよ。」
それでは、スイッチ、コンセントプレートの多彩な製品群、お客様の利用ニーズに合わせてどのようなスタイルの製品を提供してるかをクローズアップしてみたい。
基本的にお客様の多様なニーズに即応できる6つのタイプのスタイルを整えている。『エレガント』『カントリー』『モダン』『オリエンタル』『ナチュラル』『フェミニン』である。それぞれの詳しい特徴や機能はカタログやWEBサイト『スイッチ、コンセントプレート王国』で じっくりご覧いただきたいのだが、以下抜粋して紹介しよう。
☆ モダンではスガツネ工業のフラグシップブランド『Zwei Lシリーズ』をはじめシンプルなデザインが特長で、デザイナーに人気のスタイルである。『カーボンファイバーシリーズ』はレーシングカーにも使われる、軽くて強いメッシュのカーボンファイバーのイメージが喜ばれている。『クールメタルシリーズ』は無駄を削ぎ落したミニマルなデザインと、シャープなデザインでありながら、安全性を兼ね備えたエッジ処理が人気で、ワイドタイプ、ホテルコンセント仕様などラインアップを増やしている。

☆ オリエンタルでは和の美しさを徹底追求した『箔シリーズ』や『UV漆シリーズ』がいずれも豊かな伝統美ということで喜ばれている。しっとりした質感が特に和の住宅や店舗、旅館などで支持されている。

☆ カントリー・フェミニンでは美濃焼で仕上げた『ポータリーシリーズ』やキッチンなどに調和する『ホーローシリーズ』など素材豊かにラインアップされているが、中でも人気なのは天然木を削り出してつくられた『プレミアムウッドシリーズ』である。巷に流通する安価なシート素材ではなく、あくまでも本物志向のスガツネである。

●フック&バスルームアクセサリー PXB型 (フック王国・バスルームアクセサリー王国)
―方、『フック&バスルームアクセサリー PXB型』についてはどうだろう。『スイッチ・コンセントプレート PXP型』と同様に充実したラインアップと個性的なデザインが大きな特長である。一般的にバスルームやサリタニ―のアクセサリーと言えば、直線的で無機質なシルバーのアイテムが多いが、スガツネのPXB型はヴィンテージの味わいを演出するカントリーテイストなフックやタオル掛け、色鮮やかなシリコンゴムのフックなどが魅力である。

バスルームだからとあきらめないで。フック、つまみ、タオル掛けなどを一体化すれば、自分好みの空間を身近に構成できるし、天然木や真鍮、色を生かした素材を使えば、親しく愛着のある空間も容易に得られる。人にやさしい安らぎの空間を金物から創り出すことによって、自らをリフレッシュするバスルームにより付加価値をつけることができるのだ。
その多彩なラインアップは先のPXP型と同じで、スタイル別という観点から『モダン』『エレガント』『カントリー』『カジュアル』といったシリーズを揃えているので、お好みの製品で快適な空間が構成、展開できる。
☆ モダンに代表される『アーバンメタルシリーズ』はシャープさを求め最適な素材としてアルミニウム合金を選択した。押し出し成形によってシャープさを出しつつ、絶妙なR(角をとってまるくする)をつけることで、大事なお召し物やお手回り品が傷つかないよう徹底的に配慮されている。このRは、開発段階で何度も試作を重ね追求した、まさにこだわりの一つである。こちらはフックとタオル掛けを用意。バスルーム全体を引き締め、ワンランク上の空間を創ることができる。

アーバンメタルシリーズ
☆ カントリーに代表される『エイジドシリーズ』はスイッチ・コンセントプレート王国にもあるエイジドキャストと同じ質感で空間をトータルコーディネートすることができる。『エイジドスクリューシリーズ』真鍮鋳物ならではの質感と重厚感に、ヴィンテージ感をプラス。すりわりネジをあしらった独特なデザインはカントリー調の空間にマッチすること間違いなしだ。

☆ ナチュラルではこちらもPXP型にある『プレミアムウッドシリーズ』が人気。まるで壁から木の枝が生え出たようなユニークなデザイン、流行りの異素材(木と金属)の組み合わせ。フックにハンガーなどを引っ掛けたときに直接壁に当たり壁紙を傷つけいないよう、横から見るとV字になっており、使う人のことを考えた、抜かりない配慮がされている。
同じ天然木でも『ウッドシックシリーズ』は木特有の"柔らかさ"をイメージした丸みのある形状とし、より機能重視で鞄やコートなどを掛けやすくしている。


☆ モダンな風合いのある『レザリーシック』は名の通りレザリー(革のような)な見た目でブルックリンスタイルなどの空間にマッチすること間違いなしだ。表面のレザー部分は、試作を重ね亜鉛合金に特殊塗装を施すことで、本物と瓜二つの見た目でありつつ、水や汚れに強い。
このようにスガツネ工業の製品は生活の何気ない部分に存在するが、毎日使うからこそ、ひと味もふた味も違う使い心地、優越感をも提供する。
最後に、先の奥山氏がスガツネ工業のこだわりの原点についてこんな話をしてくれました。「私どもには、ある面ではふたつの顔があります。ひとつは私どもの思いを集約したこだわりの製品であり、もうひとつは私ども製品を購入いただいて、建築家やデザイナーの製作物に組み入れてもらってその製品の価値化を一層高めるものです。どちらもスガツネ工業ならでこだわりを徹底追求していることは当然のことです。どちらにしても、製品に込められたこだわりには変わりありません。空間の完成度を各段に上げる製品をご提供させていただきます。まずは、お気軽に声をかけてください」
文 : 坂口 利彦 氏